第5章 competition
「君さぁ、レオナちゃんに気を遣って初めから手を抜いてたろ?舐めてもらっちゃ困るなぁ…次は全力できてくれよ。
…だって!!アハハハハ」
私は目を見開いた。
「なに…それ…」
「いやぁ、あの人ほんと凄いね。さすがだよ。
俺がぜんっぜん本気じゃないの見抜いてんだもん」
「龍ちゃん初めから手を抜いてたの?」
「うん、めちゃめちゃ抜いてた。だって勝っちゃうもん」
龍ちゃんは楽しそうにずっと笑っている。
「あ、でも安心して。全力で否定しといたから!ふはっ」
「・・・」
私の頭の中は混乱気味だ。
色んな意味で、及川さんも龍ちゃんも凄い。