第5章 competition
「あ、あの子にサービスしてくれてありがとね。
すっっげえ喜んでた。」
「ならよかったよ」
「うん、おかげでずーっと上機嫌だったよ。」
「…あの子少し面倒くさそうだもんね」
「やっぱレオナはわかってるねぇ。
ホントその通りなんだよ。情緒不安定な子だし。」
「お互いめんどくさい客持って苦労するね」
「ふふっ、だよねー。でも、みぃんな大事なお客様です」
「ですです。」
満更でも無い様子の私たちは同時に笑った。
「今日も頑張ろうぜ」
「うん。頑張ろう」
しばらくしてから私の送迎車(やっちゃん)が先にマンション下に着いた連絡があった。
部屋を出る前に龍ちゃんにポンポンと頭を撫でられた。
「終わったら連絡して」
「そっちもね」
そう言って今度は私が龍ちゃんの頭を撫でた。
なんとなくこれだけで、
今日一日をまた乗り越えられそうな気がする。