第5章 competition
その後は及川さんと高級ホテルに朝食を食べに行ってから別れた。
及川さんはホテルの部屋に連れ込むような下衆なことはしない。
まぁしたいのは山々なのだろうがまだその時じゃないと私を見ていて分かっているのだろう。
しかし、朝食を食べている時の会話が気になった。
「君とあのホスト君はどういう関係?」
「っえ?」
「知り合いなんじゃないの?」
「な、なぜ?そんなわけない…」
「…そう?僕の杞憂か…」
さすが及川さんはとても鋭い。
あの女の子の方なんて微塵もそんなこと思っていないはずなのに。
というか私たちだってそんな隙すら見せてないはずなのに…
及川さんは笑顔だったけど、
私を探るような目で見つめていた。