第5章 competition
今日はそのまま夕方まで龍ちゃんには会わずじまいだった。
もちろんこういう日だって全然ある。
けれど夕方には私は出勤の身支度を全て整えてから龍ちゃんの部屋に行った。
龍ちゃんも出勤の準備を全て整えていて、
普通にかっこよくて艶かしい、
クラウス店のNO.1・夜の帝王の龍也がそこにはいた。
「おっつ〜!これから同伴?」
「ううん。まだ時間あるから来た」
「そう。俺もまだ時間ある。
にしても今朝の及川さんて人は面白い人だったね〜
名刺貰っちゃったよ」
「ダーツ、負けてくれてありがとね。」
「いえいえ〜。レオナ嬢のお客様の機嫌を損ねるなんてことあってはならないからね。」
そう言いながら私にタバコを差し出して火をつけてくれた。