第5章 competition
勝手に2人でゲームをスタートしてしまった。
私と女の子はただ座ってお酒を飲みながら
見守り続けているしかない。
2人とも本当に上手くてかなり良い勝負だ。
「頑張れ龍也〜!」
女の子はもちろん龍ちゃんを必死に応援している。
となったら、というか、とならなくても
そもそも私は初めから及川さんを応援しなくてはいけない立場だ。
「及川さん頑張って」
営業スマイルを終始作りながら及川さんを応援する。
及川さんは、「任せといて〜」と言いつつも次第に焦ってきているようだ。
2人とも当然、ブルよりもトリプルを狙っている。
もちろんたまーに外していたりする。
それくらい、あの場所にピンポイントに当てるなんて難しすぎる。
にしても・・・
ダーツしてる龍ちゃんてカッコイイなぁ。
いつも笑顔でふざけてる感じなのに、すごく真剣だし。
ていうか考えてみたら…
こんなに真剣な龍ちゃんの表情って
初めて見たかも…