第5章 competition
ーレオナsideー
「あの人本当に上手いね。
ていうかホストかな?」
「でしょうね」
及川さんの言葉に、私は素直に同調した。
まぁホストにしか見えないよね。
「ちょっと僕、勝負申し込んでこようかな?」
「えっ、なんで?やめた方が」
「どうして?」
「や…なんとなく…」
「もしかして、僕が負けるとか思ってるの?」
「思ってないっ!」
…いやホントはちょっと思ってます。
と心の中で言う。
及川さんももちろんとても上手だけど、
龍ちゃんもかなり上手みたいだ。
本気を出した龍ちゃんはヤバそうだし、
単純に、こんな勝負事フツーにめんどくさい。
及川さんは、あっという間に龍ちゃんに勝負を取り付けてきてしまった。
龍ちゃんは楽しそうな笑みを浮かべている。
いや…あんたもあんたでなんで承諾してんのよ…
「お兄さんには敵わないと思います〜」
とか思ってもないことを言っているし。