第5章 competition
レオナは男にレクチャーを受けているようで、背後から腰と腕に触れられている。
レオナがダーツを構えている手に、男の手が添えられている。
それでもレオナは笑顔だ。
「肘を動かさないように紙飛行機飛ばすみたいな」
「難しいっ…」
「もうちょい力抜いて?指離れが起きると不安定になるから」
「えっ…こうかな…」
「うん、そう、狙った場所に手を伸ばす感じ」
「ふふ…こんな?」
みたいなやりとりの声が聞こえる。
…ウケる。
俺は不覚にも笑ってしまった。
しかもまだこちらには気がついていないようだ。
俺らは適当に酒を注文してから、ダーツを手に取った。
「龍也がんば〜☆」
「うん♡僕得意だから見ててよ♡」
ウインクを飛ばしてあげてから
真剣にダーツを構えてそして放った。