第5章 competition
ーレオナsideー
「それより昨日は、来てくれてありがとね」
「え?いや?礼を言われることじゃないよ。
前に来てくれたお返しだしアイツらも行きたい行きたいうるさかったわけだし。むしろ悪かったね、邪魔して」
「だから邪魔はしてないって。フツーに嬉しかったよ」
「おっ、マジ?ならよかったよ。
でも売上に貢献できなくてごめんね〜」
「貢献しなくていいし。てゆーか、5人で来てシャンパンも入れてくれたんだから充分貢献してた」
「ははっ、そおかぁ」
龍ちゃんは目を細めてこちらを一瞥したあと、
ご馳走様と言って皿を片付けキッチンへと運んで行った。
「今日は何時に家出んの?」
「私は18時には出ないと。プーさんと同伴」
「あ〜プーさんね。ふふっ」
プーさんというのは私が本人の前でもそう呼んでいるアダ名で、本当にプーさんのような雰囲気と風貌の大会社社長のこと。
「龍ちゃんは?」
「俺もそんくらいかな。今確認したら同伴被ってさ。だからうまいことダブル同伴しなきゃ…」
「それはお疲れ様」