第1章 desire
私の部屋は42階。
グングン登っていくエレベーターの中で、
せっかちな私は、少々イライラする。
まぁだったらそういう所選ぶなって話なんだけど、
セキュリティ云々に関して充分安心できるしアクセスも申し分ないからここを選んだ。
部屋に着いてから
私はバッグをソファに放り投げ、アクセサリーを全て外し、そそくさとドレスを脱ぎ捨て、シャワーを浴びた。
お風呂にゆっくり浸かるのは昼間だけ。
その時に、何十件何百件と来ていたメールや着信を全てチェックして返信をする。
仕事終わりやアフター終わりはお風呂に入る体力がないし、とにかくなんにもする気が起きない。
今日来てくれた客たちへのお礼メールも後日行う。
夜中や朝方だと場合によっては迷惑となることもある。
妻子持ちの人や恋人のいる人も多いわけだし。