第4章 Jewel
結局朝の7時までカラオケで騒いで、
そのあとは龍ちゃんとタクシーで帰った。
「みんな大丈夫かな…
酔っ払ってどっかで潰れてたりとか…」
「俺の連れたちは絶対それないよ〜
あいつら酔ってそうに見えてシラフだし、」
「えぇ?!」
「あはははははウケるでしょ。てかあいつら、
そんな簡単に酔わない。だってうちの店のホストだよ?」
「んぁ…まぁそれ言われると…。
てか皆かなりのイケメンだったね」
「ふっ、誰か気になるのいた?」
「…どーゆー意味?」
「ん?そのまんまの意味。いたなら言っとくけど」
「…いないし。そっちはどうなの?」
「ん〜…そうだなぁ?マユミちゃんとか可愛いなぁと思ったね。もちろん皆可愛くてヤバかったけど」
「そう。マユミちゃんに言っておく。喜びすぎておかしくなっちゃうかも。」
「ふふっ、なーんて嘘だよ。
レオナが群を抜いて輝きすぎてて他はぜんっぜん目に入らんかった」
「・・・」
彼の言うことはいつも本気か嘘か分からない。
だから返答に困る時がある。
でも仮にそれが本音だろうが冗談だろうが、正直別に嬉しくもなんともない。
だって龍也は……誰もが知っているNO.1ホストだ。
それはつまり、どれだけたくさんの女を自分に惚れさせるかというゲームの勝者ということ。
そしてその逆が私だ。
そう……私たちは心のどこかで、絶対にお互いを信用していないのだ。