第4章 Jewel
ーレオナsideー
龍ちゃん…
めちゃくちゃ歌上手い…
これ一応女の人が歌ってる歌なんだけど?
なんでそんなトーンが出るの?
疲れ果てた身体で
眠りについた君を
僕は息をひそめて見ていた
世界中でただ1人
僕だけが知っている
無防備で愛しい横顔
しかもこの歌はすごく私の好きなやつだ。
不覚にも感動してしまった。
龍ちゃんは本当に1番だけ歌って消してしまった。
終わってから自然とみんなで拍手をした。
「やっぱ龍さん別格に上手いなぁ〜」
「声帯どーなっちゃってんだよ?」
「龍也も浜崎あゆみ好きだったの?超うまかったよ?」
私の言葉に、龍ちゃんは笑った。
「別に好きなわけじゃないよ〜
レオナが歌ったから、お返し」
とてもいい歌詞なんだよなこれ…
ていうか、あゆの歌詞はどれも良くて…
聴いていると泣きたくなる。
「この曲は2番もいいよね」
「もしも君が深い悲しみに出会ったら、僕にも分けてくれるといいな。その笑顔のためならなんだってできるだろう。僕の大切な宝物。」
「っ…」
めっちゃ知ってるじゃん。
てかなんでそれをその客に向けるようなイケメンスマイルで私に言う?
ドキドキすんじゃん…。