第4章 Jewel
「なっ…でよ?俺じゃダメでしょ、だって」
「こんな機会そうそうないんだからいいじゃん。サービス。都合合えばこのメンバーで。」
「そりゃこいつらは大喜びだろうけど…さ…
ほんとに平気?なんか俺めちゃくちゃ邪魔しに来たみたいな…」
「んなことないったら。皆にも伝えておいて。」
私は自分の名刺とライターを全員に配り、一人一人のグラスに自分のグラスをつけてから席を離れた。
もうあと少しで閉店だ。
いわゆる帰宅ラッシュ状態になっていて、私は各お客様たちを1組1組見送る。
「社長、今日はありがとう。
お連れ様も連れてきていただいて。
やはり社長の周りは素敵な方ばかりなのですね。
とっても楽しい時間でした」
私は連れの方にも握手をし、社長には気付かれないように軽くボディタッチをした。
他のお客たちにも同じようにする。
次回は1人でもきっとまた来るだろう、と思える客にもそうでない客にも、1寸の隙のないサービスを全力でして、そして心の底から感謝をした。