第4章 Jewel
そして4人の女の子たちの目線はというと、
明らかに龍ちゃんに向いている。
なぜこんな所にあの龍也さんが?!
この人は龍也さんですよね?!
みたいなことを思っているのが表情だけで伺える。
男たちの目線は私。
女たちの目線は龍也。
これは一体なんの場なのか?
私もわからなくなってしまいそうだ。
「いやぁ〜2人が並んでいると、絵になるなぁ」
「ですねぇ〜!」
「写メっていいっすかぁ?」
「っあ!私も撮りたいですぅ」
私が慌てて何かを発する前に、龍ちゃんが、
「いいよん〜」
と言いながら私に体を近づけてピースサインをした。
パシャパシャ
フラッシュが何度も光り、私は内心苛立つ。
「ちょっと、りゅ…い、いいの?」
「いいじゃんこんくらいのサービス。」
「や、そゆことじゃなくて」
「っあ〜それ後で俺にも送ってねっ」
「了解っす〜!」
私が横目で睨んでいるのに気がついたのか、龍ちゃんはニッと笑った。
「今日は龍也として来てんじゃなくて、レオナのファンとして来てるだけだから、記念写真なんだよ♡」
「・・・」
私は一応接客の場なのでなるべく感情を押し殺して営業スマイルを皆に向けた。