第1章 desire
私の住んでいるタワーマンションに到着した。
「お疲れっしたぁ!」
車のドアを開けて律儀にお辞儀をするやっちゃんの手に1万円を握らせる。
「っえ!!いやいやいいですいいですってぇー!!」
「それで何か美味しいものでも食べなよ」
「んな毎回こんなことされたら困ります!これ仕事ですし!っていうか!美味しいものなら1万もなくったって!」
「…どんだけ安いもん食べてるのよ…」
やっちゃんは苦笑いを浮かべながら言った。
「っ… レオナさんの金銭感覚やっぱやっばぁ〜」
パシン
「っいでっ……ははっ…
でもマック何十個食べれるんだ〜って話っすよ〜」
ヘラヘラしてそんなことを言い出すやっちゃんにため息を吐く。