第3章 promise
そしてその公園の前で車を下りる前に佐々木に1万円札を押し付けた。
「ひぃいいらんですよ!こないだも貰いましたし」
「いーんだよ。今日は俺、超〜気分良いんだ♪
じゃーねーお疲れぇ〜」
佐々木が何か言う前に俺は車をおりた。
どんな形であれ、とにかくレオナからの連絡が嬉しかった。
正直ここ1週間、めちゃめちゃ待ってた。
やっぱり無理やりにでも連絡先聞いとけばよかったーなんて後悔もしてたし、レオナのいる店へ行きたいと思っていたけど、同伴もアフターも毎日あって忙しい俺は八方塞がりで結局行けなくて…
そして今日という日に、
こんな奇妙な形でまた再会することになった。
レオナは公園のブランコに座っていた。
「いたいた…お〜い来たよ〜ん!」
顔を上げた彼女は月明かりと街頭に照らされてすぐに表情が見えた。
俺は息を飲んだ。
ビックリするくらい冷たい空気を醸し出している。
完全なる「無」の表情だ。
しかも、靴もバッグも地面に乱雑に放り投げられている。
こりゃなんかあったな…確実に…
そう思った。
俺は笑顔を作って、裸足のレオナの前へ行き、目線を合わせて屈んだ。