第2章 encounter
「そういえば龍也くんは、カラコンはしてないんだ?」
何気なく聞いてみると、彼は吸い込まれそうになるくらいの美しく漆黒な瞳を何度か瞬きした。
まつ毛も長くて綺麗だと思った。
「えーしないよ。あれ気持ち悪いじゃん。
それに、お客様に対してなんか失礼だ。」
「おお…」
「え、なに?」
「いや。私も同じことを思っているから。」
「おっ、そういえばレオナさんもカラコンしてないもんね。珍しいよね、すごく。」
「ホストで裸眼なのもかなり珍しいよ?」
「ふふっ。そうかも。」
彼とは本当に気が合うな。
いや…気が合うと言うよりも、ただいろいろと分かり合えるだけ。
共感要素が多いだけ…
というより…夜のこの街で、No.1にしかわからない、できない、そんなものが私たちの間にあるように感じた。
私と同じ匂いがする。
そう思った。