第11章 hesitation ■
「あの、佐藤さん。
実はアメリア店のレオナの紹介なんだけど、」
「うへぇっ?!レオナちゃんの?!
そうだったのー?!」
「…はい。んで、この名刺…」
俺は例の、レオナの名刺を見せた。
「これって、何に笑ってるとこなんです?
すっごい気になってるんだけど、本人は教えてくれないんだ」
佐藤さんはクスクスと笑いだした。
「これは確か…アタシの好きな人のタイプを言った時だったかなぁ…でもこんなに笑うとか失礼しちゃうわよねー」
「え、なんて言ったんですか?」
「えっとね、ウィル・スミスとジョニーデップを足して2で割った感じの人が好きって言ったの。目がギラついてて髭が生えてて…で…」
「・・・」
え、なにそれ、どゆこと??
その2人を足して2で割るとか想像つかなすぎんだけど。
あと、別に大して面白くもない。
レオナのツボってかなり妙なんだってことはわかった。
あと、この人は俺のことは全くタイプじゃないということもわかった。
俺は内心かなりホッとする。
「そーいえば、クラウス店のホストくんは全然うち使ってくれないよね。
前〜に、渚くんが来てくれたけど、あの子も1度きりだったし、気に入らなかったのかなー…ショック…。あの子めちゃめちゃアタシのタイプだったのに…」
渚の奴…
確かにジョニーデップっぽいもんな見た目。
多分この人に危機感察知したんだろう。
ウケる!!
「僕はまた来ますよ!写真楽しみにしてますね。
あと渚も今度連れてきます。」
そう言うと、佐藤さんはまるで恋する乙女のように目を輝かせ始めたので俺はつい笑ってしまった。