第2章 encounter
「それより、VIPルームじゃなくてごめんね」
「ううん、こっちの方がいい。店の雰囲気がよく見渡せる。」
「でもレオナさんすごく有名だから、さっきからチラチラ見られているよ」
「……まぁ…サービスかな」
「ふふっ。皆どれだけの値打ちがあるのか分かっているのかな。今夜のお客様方はラッキーだなぁ。あと僕らの同僚たちもね。」
周囲の者たちの目線がこちらばかりに突き刺さっているのがわかる。
まぁそれは俺もいるからなんだけど。
隠し撮りとかされてたら嫌だな。
そんなことを思いながらも、
にこやかにレオナに笑みを向ける。
レオナは周りに目を向けることもなく、態度を変えずにただジュースを飲んでいる。
その綺麗に整った唇も、グロスや化粧の選び方もさすがで、男を惑わす妖艶な雰囲気を存分に醸し出していた。
こういった女がよくつけてるムンムンと香るような凄まじい匂いの香水なんかも一切つけていないようだ。