第11章 hesitation ■
いい所があると言って車に乗せられ約5分後。
めちゃめちゃすごい場所に連れてこられて目を見張った。
「・・・」
ここ天国??
俺死んだかな?この人の運転で…。
だってこんな都会のちょっと外れた区域にこんな場所があるなんて…誰が想像出来る?
花には詳しくないからよく分からないけど、とにかく色々咲いている。
すごく良い匂いがするし…。
俺が目を細めて風に吹かれ、らしくもなく感慨耽ってる隣で佐藤さんはカシャカシャ花を試し撮りしている。
「トルコキキョウとカスミソウも咲いてるでしょ!向こうの池には蓮も咲いてるよ!ここいい場所だと思わない?実はね!アタシのお花畑なの〜!祖父が残してくれた土地でね、前まで駐車場だったんだけど、アタシが改造しちゃった♡」
「へぇ?!そうなんですか!凄いですね…」
駐車場を花畑にしたのか?この人は?
女の子よりも凄まじい乙女心…
脳内お花畑女子ってやつか?
いや、女子じゃないけど…