第10章 thought ■
ー龍也sideー
レオナが書き込んでいく字をジッと見つめる。
望月…… 真珠……
これが本名…なのか…
確かになんだか…
レオナに似合ってる感じがする。
「はい。結構です。ありがとうございました。
今後とも私は最後まで精一杯サポートして参りますので御安心ください。望月真珠さん。」
あー…なんか今イラッとした。
俺より先に
お前がその名前を呼ぶことになるなんてな…
挨拶が済み、レオナと共に夏樹を玄関に送る。
「貴重なお時間を頂戴してしまい申し訳ありませんでした。」
「いえいえそれはこちらのセリフですよー真珠さん!
今度、お店に遊びに行かせてください!」
なんだこいつ……
突然仕事モード崩しやがって…。
しかもまた名前呼んでるし。
わざとらしい。
俺への当て付けかー?
「はい。是非。」
レオナもレオナで
艶かしい笑みを浮かべてそう言っている。
夏樹はにっこり笑いながら俺の耳に口を寄せ、
コソッと囁いてきた。
「お前がこの子に迷惑かけるようなことだけはないようにしろよ」
「はぁ?んなことわかってるし…」
つーかキモイな。男に囁かれるとか!
耳がゾワゾワする…!