第10章 thought ■
ーレオナsideー
「えっと…多分…だいたいですが、
5000万超えて…まぁ1億…は
いかないあたりくらい…かと…」
普段のあの人の身につけてるものとか趣味とか会社の種類とか総合して、ほとんど私の勘なんだけれど…
「あれ…意外とたいしたことないな」
龍ちゃんの言葉に苦笑いする。
「いや、多分だよ?正確なことは流石にわかんないよ。
聞いたことないし。」
「なるほど…まぁ仮に1億未満だとして…
60%…てことはまぁ約3千万〜5.6千万…
そこから更に50%-ええと……8…6…
んんー…約700万前後かな…」
「いやいやもっと取れるでしょ。彼女は精神的苦痛に伴い肉体的苦痛を存分に受けた。よって今後の通院費治療費も必要。これでいーでしょ」
納得いかない態度で反論している龍ちゃんに、夏樹さんはため息を吐いている。
「あのなぁ、龍也。
そもそも強制性交罪の示談金相場は100万くらいなんだよ。まぁもちろん今回はそこに傷害罪もしくは暴行罪が加わるわけだから、それも考慮してもこれ以上は100パー限界だ。」
「はぁ?そもそも薬事法違反と有形力の行使で傷害罪、暴行罪、強制わいせつ罪のトリプルパンチに加え、刑法224条・略取及び誘拐の罪にも該当するよな?」
「ちょい待て隼人、話が飛躍しすぎだ。
だってさっきまでの話だと…ー」
2人でなにやら難しい言い合いを始めてしまった。
ていうか……隼人?
もしかして龍也の…