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夜街の陽炎 ~No.1の男女の恋~

第10章 thought ■



「そもそもなぁ隼、っ龍也。
お前がそいつを殴ったりして傷害おこさなけゃ、もう少しこっちは押せたんだぞ?わかってんのか?」


その言葉に、龍ちゃんはあからさまに不貞腐れた顔をした。


「知るかよそんなん。」


「っあ、私、別にお金なんてなんだっていいんです。
それよりも、龍也くんが殴ってくれたことの方が、私はスッキリしましたから…」


ついそう言葉に出してしまった。

2人はなんとも言えない顔で押し黙ってしまった。



「ま、まぁ…その男はとりあえず、被害者との示談が検察官の処分前に成立すれば、不起訴処分が可能です。起訴であっても、示談書を証拠として裁判所に提出することで、被害者に対し真摯に対応したことを示すことができます。裁判所が示談の事実を考慮に入れ、執行猶予付きの判決を言い渡すことで、被告人は元の生活に戻るわけなので、そうなった場合に備えた示談誓約書を先に作成しましょうか。…えーと…」


夏樹さんは1枚の紙をカバンから取り出してテーブルに置いた。


「…こちらは私が仮作成してきたものですが、異論や追記があればすぐに訂正し直しますので言ってください。」


その仮示談誓約書に龍ちゃんと一緒に目を通す。
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