第10章 thought ■
俺のスマホが鳴った。LINEの画面を開く。
「あ、レオナからだ。
今撮影終わったってさ。あと15分後くらいにここ来るよ」
そう。今日は午前中からレオナは雑誌の撮影に行っている。
俺も明日はそれがある。
今日は早く寝れるといいな…。
夏樹は部屋の隅にある大きなマガジンラックから勝手に数冊雑誌を取って戻って来た。
ペラペラ捲っては感嘆している。
マガジンラックには俺の載ってる雑誌とレオナの載ってる雑誌が並べてある。
「…ほんっとーに綺麗な人なんだなぁ…うんうん。
生で見るなんて緊張しちゃうな…すごい光栄だね。」
「・・・」
「…おい、この隼人良く映りすぎじゃね?!」
「うるっせえな。つーか、俺、龍也だから。
彼女は本名知らないんだからそう呼べよ」
「っえ?!なに?隠してんの?」
「…ま…隠してるってわけでもないけど…
レオナの本名だって知らないし…
なんか今更じゃん。」
夏樹は訝しげな顔をして
「お前らってマジで謎だな…なんなんだよ…」
と小声で呟いた。
だな…。
俺にもようわからん。
ホント、俺らってなんなんだろ。