第10章 thought ■
「はぁ…それにしても…
レオナさん可哀想だな…」
夏樹の呟きに俺もため息を吐く。
「ほんとに…。
どんなに怖くて苦しかったか……」
「な。想像しちゃうよな…
こんな綺麗な子をさぁ……」
「……なぁ、夏樹お前…
妙なこと想像すんなよ?殺すぞ。」
夏樹はバッと顔を上げて首を横に振った。
「してないしてない。想像なんかしてない。」
「…あっそ。とにかく俺は…
殺してぇほどあいつが憎い。」
その言葉に夏樹は眉をひそめた。
「殺しちゃわなくてよかったよほんっと。
お前が殺人を犯しちゃったらいくら俺の弁護でも、」
「いやうまくやってくれるでしょーお前なら。
頼りにしてるよ、夏樹弁護士♡」
「なぁ…マジで冗談でもそれやめろ。
そっちのが想像したくもねぇよ」
顔を顰めている夏樹に俺は笑った。
2度目があったらマジで殺すかも…
って言葉は飲み込んでおいた。