第10章 thought ■
「えぇ……」
「お腹、空いた。」
「ふっ…何が食べたい?」
「フレンチトースト…
前に龍ちゃんが作ってくれたやつ」
「はいはい。かしこまりました女王様。
じゃあちょっと待ってて」
笑いながらベッドから出ようとしたら
また腕を掴まれた。
レオナは上目遣いでジッと俺を見つめている。
「…私、わがまますぎるよね、ごめん自分でやる」
「はっ、何言ってんの。へんなの。
そもそも俺が作ったほうが旨いよ。」
そう言ってベッドを出る。
レオナが俺にわがままなんて言ったこと
1度だってないじゃん。
レオナから発せられる言葉は全部
1ミリもわがままに感じない。
もっと俺に甘えろよ
わがまま言ってみろよ
俺がうんざりするくらいにさ。
女は男にわがままを言って甘える生き物なんだよ。
男はいつでも黙ってそれを受け入れるんだ。
そういう普通の女になってみろよ
そう、言ってやりたくなるよ
脆くて今にも壊れそうな、
君を見ていると。