第10章 thought ■
タバコを揉み消し、
ベッドに戻ると、レオナが布団の中でモゾモゾと動いていた。
「あれ、起きた?」
目を擦りながら、俺の腕を緩くつかみ、
ベッドに引き込んできた。
俺はゆっくりと布団の中へ入り、
温かいその裸体に腕を回す。
「ごめんね…龍ちゃん…
昨日は疲れてたはず…なのに…無理させ」
「無理なんかしてない。
俺が抱きたいと思ったから抱いたんだ。
…ほら腕枕。」
ゴロリとこちらに身を預けるレオナを腕枕して包み込む。
「……タバコの匂い…」
「あぁ、うん。ちょっと一服してた。ごめん」
「平気。パーラメントの匂い、好きだから…
安心…する…」
声が眠たそうで、
俺はくすりと笑った。
「…まだ寝てなよ。ずっとこうしてるから。
夜になったら、一緒に警察署行こ。」
「……1人で、行けるよ?」
そう言うと思った。
でもそんなのダメに決まってる。
「だーめ。もう仕事休む連絡したし。
俺がレオナを連れてく約束だし。」
レオナは黙って俺の胸に顔を埋めている。
「ね。だから寝てください。女王様」
髪を撫でながら諭すようにそう言うと、
小さく
「ヤダ」
そう聞こえた。