第10章 thought ■
ー龍也sideー
そのまま何度もレオナを抱いて
何度も彼女の中で脈打った。
警察の事情聴取は
覚悟を決めてはいたことだけどやっぱりうんざりするほど長くて。
ただ救いだったのは
及川のカバンから、あの小瓶と同じものが出てきたことと、俺がした録音が証拠になったこと。
それによって警察側もさすがに異常性に気がついたらしい。
及川が
俺らに脅されて言わされたとか言えばその録音は逆効果だったかもしれないけど、事情聴取の際、あいつはひたすらレオナの話ばかりし、レオナに対しての執着心を見せるだけで誰がどう見ても異常極まりなかった。
俺が及川に手を出したことに関してはもちろん咎められはしたが、録音の会話を聞くにあたり多めに見てくれたことと、及川自身がそこに対して抗議しなかったこともあって罪に問われなかった。
警官は当然、レオナを呼ぼうとしたが、
今は外に出られる状況じゃないと説明して後日ということになった。
だが及川というあの男は
あれでも表向きは社会的地位と信用のある、業界では名の通った経営者だ。
社員も多いしバックグラウンドも広いだろう。
金も権力もあるならば
今後の処罰なんて恐らくどうにでも出来そうだ。
レオナにまた危害が及びかねない。
俺がどうにかしないと。