第10章 thought ■
肌をうちつけあう乾いた音と、
苦しげな互いの息遣いと
私の嗚咽と
広い部屋に
全てが混ざりあって
私の中でドロドロに溶かされていく。
「っんん…りゅ…っや…名前呼んでっ…」
「…ん…っ… レオナっ…」
龍ちゃんは耳元で何度も私の名前を囁いてくれた。
それだけで少しだけ
私の中の不安や恐怖が拭われていく。
いつもの整った彼の顔が色っぽく歪んでいて
私の中の情欲が煽られる。
激しく最奥を突かれながらも何度もキスをねだった。
「っは…ぅ… レオナっ…もうっ…
やばそ…っ…」
彼の乱れた髪が私の顔をかすめる。
「ん…あっ…いいよ、私の…っなか…に…っ」
指を絡ませ合いながら、ギュッと強く握りあう。
「っく…っ… レオナっ……」
一際大きく奥に亀頭が押し込まれ、
彼が私の中で脈打っているのがわかる。
繋がったまま、僅かに震えて苦しそうに息を吐いている彼の背中に手を回した。
彼の腕も私の体をギュッと強く包み込む。
私たちの体に、1ミリの隙間もなくなった。
「りゅ…ちゃ…っ…まだ…脈打ってる…」
「ん……はぁっ…はぁっ…きもちよ、すぎ、て…」
ごめん…
また龍ちゃんは謝って、そしてまた私の唇を塞いだ。