第10章 thought ■
そして、大きなソファーに私を寝かせ、スーツの上着を脱いで覆い被さる。
頬に手を添えられ、目と鼻の先で見つめられる。
どこか刹那気な真顔なのに、
その無の表情が、
息を飲むほど美しいと思ってゾクッとした。
「…… レオナ…」
スル…と頬を撫でられ、前髪をかきあげられたかと思えば、そのまま吸い寄せられるように唇を重ねられた。
角度を変えて熱い舌が割り込んでくる。
「んっ……りゅ…っ…」
震える両手で彼の胸を押そうとすると、
片手でギュッと握られ、頭上に貼り付けられた。
グチャ、グチュ、と艶かしい
口付けの音。
奥まで舌が蹂躙していく。
口内を優しく、深く、犯されていく。
安心する快感…
まるで私の中の全てが蕩けていくような。
深く深く
私も彼の口内を貪った。