第10章 thought ■
今日は仕事休もう。
同伴アフターも全部断ろう。
体調不良だと伝えてそれを全て完了させた。
何も食べてないけど
お腹も空かない。
それどころか、
吐き気がする。
ずっと
じわじわと
心臓が締め付けられるような動悸。
苦しい。
「1人に…しないで…」
呟いてから、ハッとなる。
もう何年間も、
ずっとずっと長いこと一人ぼっちで
平気だった私が、
いつの間にか、こんなに
"独り"が怖くなっているのだということに
気がついた。
龍ちゃんの…せいだ…
私が独りじゃなくなっちゃったのは…
独りがこんなに
怖くて寂しくて悲しくて辛くて苦しくて
死にそうになるのは。
いつも、いつでも、
独りにさせてくれなかった、
あなたのせい。
"苦しい想い出は全部俺が上書きするから"
あのとき、
私を抱いてくれた力強さも 熱さも
耳元で何度も囁いてくれた私の名前も
なにもかもが鮮明に残ってる
お願い…早く帰ってきて…
帰ってきて…くれるよね?
いつもみたいに
ただいまって、笑顔で。