第9章 resist
こんな奴、龍ちゃんが手をかける価値もないのに…
やめてほしい…
こんな奴のために暴力なんて…
傷害罪になるってあれだけやっちゃんを止めてたくせに…
なんで……
「俺が今、何考えてるかわかる?
正直、こんなもんじゃ1ミリも足りなくて、俺は自分の理性を保つのに今死に物狂いなほど労力使ってるよ…」
誰もが怯むくらいに低く残酷に響く声。
「なぁ、及川さん…あんたをさ…」
フッと不気味に笑ったその顔にドクリと鼓動が跳ねる。
「この世に生まれてきたこと、後悔するくらい、痛めつけてやりたいとおもってるよ…思う存分…ね…」
「んぐっ…お前…っ…」
「ははは…元気だねぇ…
死んだ方がマシだと言いたくなるくらい、
嬲りたくなるなぁ…」
冷徹な笑みを貼り付けたまま、
まだ首を締めている。
及川さんはついに抵抗をしなくなった。
「おい…言えよ、言え。認めて謝罪しろ。」
ぐぐぐ……
首を絞められながらこくこくとなんとか頷いた及川さんから龍ちゃんは険しい顔のまま手を離した。