第9章 resist
「おら…自分でしっかり立てよ…
手が疲れちまうだろ?」
「…っく…おまっ…こんなことしてただで済むと思っ」
「お前が彼女にしたことに比べれば全然大したことねぇだろ。1万分の1にも満たねぇよ。少しは頭回せ…」
カッと開ききって、血走った眼光と、
彼のものとは思えないほど禍々しく殺気立ったそのオーラに、私は身動ぎ一つすることができず、固まった。
「なぁ……
彼女を好きなように犯して好きなように従えて…さぞ気持ちよかっただろうな?なぁ、どうだった?彼女の中に何回出したんだ?答えてくれよ…その回数分、お前のことも俺の好きにさせてくれよ…!!」
ドガッ!!!!
「っぐは…っあ!」
口から血を流して転がっている及川さんを、龍ちゃんは氷柱のように冷ややかな目で見下ろしている。
「なぁ…認めろよお前…
レオナのこと…いつも立派に自分の社員の前では飄々とした態度でいるお前が、その下衆面で狼藉して、いたぶって…まだまだ満足してないですってなぁ、おい、社員全員の前でそれ言えよ。」
及川さんの首に手をかけ始めた。
及川さんが両手でその手首を剥がそうと必死になっているが、全くビクともしない。
「りゅっ、龍ちゃ!!や、やめて!!」
駆け寄ろうとすると、やっちゃんに制止された。
恐る恐るやっちゃんを見ると、彼もまた、氷のような冷たい視線で冷ややかにその様子を見つめている。