第9章 resist
ーレオナsideー
「これのどこが平気な顔に見えるんだよ!!!」
突然の龍ちゃんの大声に、ビクリと肩が上がった。
こんなふうに怒鳴るところも、そんな殺気立った表情も声も、何もかもが、いつもの穏やかな彼から放たれているものだとは思えないほどに別人に見えた。
やっちゃんですら固まっている。
「私は…」
震えているけれど、私はなんとか口を開いた。
「あなたを…許せません…
話すことなんかなにも…ない…です…」
「うーん…よくわからないなぁ。
だって君、あんなに僕の下で善がって、良い声で鳴いていたじゃないか。忘れちゃったの?君が何度イッたか教えてあげようか?ところで君は無事に孕んでくれたかな?」
ドガッ!!!!
「……!!」
私は目を見開いた。
及川さんの体が思い切り吹き飛んでいったからだ。
「りゅっ……」
「龍也さんっ…」
やっちゃんの声と重なった。
龍ちゃんは、吹き飛んでいった及川さんの元に行くと、今度は胸ぐらを掴んで乱暴に立ち上がらせた。