第9章 resist
ーレオナsideー
やっちゃんの運転で、マンション前に着いた。
マンションの入口付近の敷地は公園みたいに広い。
向こうの方に、街灯の明かりに照らされて2名の人影が見えた。
この時間帯に人がいることなんてそうないのに…
「人がいますね… レオナさん、
ちょっと見てくるんで待っててください」
「あ…うん…でもっ…気を付けて?」
「はい。大丈…あ、でも…車内にレオナさんだけ残していくのも危険ですよね」
「え…私は大丈夫だよ?」
「いや……うーん…どうしようかな…」
やっちゃんは頭をかきながら真剣に考え込んでいる。
「じゃあ私も行くよ。」
やっちゃんは少し考えたあと、わかりましたと言って扉を開け、私の手を握った。
やっちゃんと手を繋ぐなんて初めてで
なんとなく気まずくなる。
しかし、ものすごく強く握られていて、私を隠すように前に出てゆっくりと歩いていく。
そして…
人影に近付くにつれてその正体に気がついてしまった。
「りゅ、龍也さん…!…と…っ!!」
やっちゃんが咄嗟に背後に私を隠した。
私の身体はみるみる震えだし、その男から目を背ける。
なんでこんな所に…
声すら聞きたくないこいつが…
しかも…龍ちゃんと…
一体何を……