第9章 resist
ーレオナsideー
「あんたら、国家公務員だろ。
給料どっから出てんと思ってんの」
龍ちゃん…すごい…
確かに大学では法律勉強してたって言ってたけど…
本気で弁護士目指してたのって本当だったのかも…
もちろん疑ってたわけじゃ…ないけど…。
いや、だとしても…
ここまでの記憶力とか凄すぎだよ…
いい大学出てるしやっぱり天才だったんだ…
「犯罪被害者等が、その受けた被害を回復し、又は軽減し、再び平穏な生活を営むことができるよう支援し、及び犯罪被害者等がその被害に係る刑事に関する手続に適切に関与することができるようにするための施策を行う。
…犯罪被害者等基本法、第二条にもあんだろ。」
警官たちは目を見開いて息を飲んでいる。
完全に圧倒されている様子だ。
「え、なに、まさか知らなかったわけじゃねぇよな?
この法律において"犯罪被害者等のための施策"ってのは、犯罪被害者等がその受けた被害を回復し、又は軽減し、再び平穏な生活を営むことができるよう支援し、及び犯罪被害者等がその被害に係る刑事に関する手続に適切に関与することができるようにするための施策…をいうんだぜ。そうお前らの教科書に書いてなかったか?警察学校からやり直したらどうなの?」
何も言い返せなくなっている警察官に対し、
龍ちゃんは尚もまた口を開いた。
「え、もしかして警察官職務執行法から教えた方がいいの?
第4条、警察官は、人の生命若しくは身体に危険を及ぼし、又は財産に重大な損害を及ぼす虞のあるー…」
「ちょっと待った待った待ちなさい君……わ、わかりました。全ての手続きを完了させましょう。」
警官たちは冷や汗を流しながらすぐさまバタバタと準備を進めていった。