第9章 resist
ーレオナsideー
私のたどたどしい説明で、
目の前の女警官はスルスルと書類に書き込んでいく。
被害者の住所、職業、氏名、年齢
被害の年月日や時間、場所
被害の状況、被害に遭った金品の品名や数量、時価、特徴、所有者
犯人の住所、氏名または通称、人相、着衣、その他の特徴
遺留品その他参考となるべき事項
もちろんあの小瓶も差し出した。
その前に、恐らくバーで睡眠薬的なものも飲まされたであろうことも伝えた。
そのバーの防犯カメラを確認すればわかるはずだとも。
「お連れの2名の男性とはどう言った関係ですか?」
「…1人は私の店の同僚で、もう1人は別の店の者です。すみませんが、本名は知りません…」
女警官は訝しげな顔をしながら眼鏡を中指で押さえ、なるほど…と一言言ってから、
「彼らにも事情聴取して状況判断材料にしなければなりませんので。彼らと男性警官を、今こちらに呼んでも構いませんか?」
「…はい。」
約1分後、すぐにその状況が整えられた。