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夜街の陽炎 ~No.1の男女の恋~

第8章 cruelty ■


ーレオナsideー




「… レオナがSOS出してる時に、
悠長にアフターなんかしてるわけないだろ。」


そう言って龍ちゃんは丁寧に私に泡を塗っていく。

なんでよ…
来なくていいのに…

仕事…ちゃんとしててよ…


あなたが今着てるのは100万以上もするスーツなのに…
こんなに濡らして泡まみれにして…

何食わぬ顔で…
私のために…こんな…



「綺麗だな…」


ポツリと小さく言った龍ちゃんの言葉に、
また涙が溢れた。



「っ…綺麗じゃ…ないっ…汚れて…る…」


龍ちゃんは目を細め、優しく笑って
目と鼻の先でジッと見つめてきた。



「綺麗だよ。全部…綺麗だ。どこも汚れてなんかないさ…」


額に唇が当たって…
すぐに離れた。


「じゃあ……」


「ん?」


「私を…抱ける?」


思わずそう聞いてしまった。

彼の本心を知りたくて…
まだ薬の切れていない、この疼く体の感覚をどうにかしたくて…


あなたにしか…
許したくないと…

本能が…身体が…そう言っていて。


こんなことを聞いて困らせたくないのに、
なのに理性がほとんど残っていない私はそう呟いてしまった。


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