第8章 cruelty ■
<レオナさんお疲れ様です!僕今終わったとこなんですけどレオナさんもですか?>
「やっ…ちゃん……うん…
今日は…大丈夫だった?」
<はい、龍也さんや皆さんのおかげでなんとか!>
「こほっ…んぁ……」
言葉がうまく紡げない。
中からドロっとした液体が出てきたのが分かった。
私は布団に這いつくばって、震える手でなんとかスマホを持っている。
<……レオナさん?……あれ…??>
「ご、ごめっ……」
不覚にも泣いてしまった。
なぜだろう。
私は滅多に涙なんか流さないし、傷つかないのになんで…
<…あのっ…え?…>
「ごめん…やっちゃ……手が空いてたら来てほ…し…」
<は…はい?…ちょ…と……だ、だいじょっ…>
「来て……うっ…うぅ…っ…龍…には言わなくて…いい」
<えぇっ…今どこに!>
私は意識のないままここに連れてこられたのでまだここがどこのホテルなのか把握していない。
なんとかサイドテーブルに置いてあったパンフレットを見てホテルの名前と部屋番を伝えた。
声が震えすぎていて嗚咽も止まらなかったから伝わったか分からない。
でもそれ以上何も言えなくて、
< レオナさっ…いっ、いますぐに行きますからそこに居てください!いいですね?!>
それだけ信じて電話を切った。