第8章 cruelty ■
ヤマトくんはとりあえずは体験なので
一旦は今日限りという底だ。
なのでブーブー言う客たちをなんとか宥めてアフターの誘いは他のやつらにうまく回した。
「お疲れ様ヤマトくん!君やっぱすごいねぇ〜
俺が目をつけただけのことはあるよ。
いろいろ大丈夫だったかなー?」
「っあ!お疲れ様です龍也さん!
はいお陰様で!わりとその…楽しめました!」
「おお、マジ?
初日でその感想聞けるなんてなぁ。
やっぱりヤマトくんはうちで働くべきだよ!…なんて。
まぁ俺はこれからアフター行かなきゃだからさ、後日ゆっくり感想聞かせてよ。今日分の給料はもらったよね」
「はいっ!でも…こんなにたくさん…
い、いいんでしょうか?」
ヤマトくんは少し酔い気味の火照った顔をしながら、分厚い封筒を持って困惑している様子だ。
「何言ってんの。君かなり活躍してくれたよ?
予想を上回る仕事ぷりだった。この先もし働くことになったら、その封筒はあと20センチは膨れ上がるだろうね、いや、それ×5くらいにはなるかな」
ヤマトくんは言葉を発せないほどに驚いたようで
目を見開いたまま固まってしまった。
この様子が心底かわいくて、
あぁ…育てたい…とか思って笑ってしまった。
レオナの気持ち、めちゃめちゃわかるわ。