第8章 cruelty ■
「えぇ、今日くらいタクシーでいいじゃん。
なんかボーイが運転手だと話しづらいんだよねぇ。
レオナちゃんもそうじゃない?」
「はは…そうかな?
全然みんな喋ってるけど。」
そう言って見せたけど、及川さんは
えーと言って不満そうなのでまぁ今日くらいはタクシーでいいかと思った。
今日は金曜日で、他のボーイも忙しいだろうし、
やっちゃんがいないからってじゃあ誰を私が選ぶのかというところで皆に変な気遣いをさせたくはないし。
そして、今日の及川さんとのアフターは、
ダーツではなくビリヤードだった。
またこないだみたいにボディタッチありまくりのレクチャーを受けて、もう2時間くらいたってしまった。
そろそろ…と切り出そうとした時だった。
及川さんに腕を引かれて椅子に座らされる。
「あと1杯だけ飲んだら出ようよ」
「あ…うん…」
もうお酒はのみたくないんだけどなぁ…
まぁあとこれだけ飲み干して満足してもらえるならいっか。
そう思って目の前のカクテルに口をつける。