第8章 cruelty ■
ー龍也sideー
何事も無かったかのような
レオナのこの雰囲気なんなんだろう…
なんであんなに濃厚なキスしちゃったのに
平然としてんだろ…
慣れてるから?
ぶっちゃけ俺はこう見えて全然慣れてない男なんだけど?
1度目は俺からしちゃって
でもすぐに離れたし…。
でもまたすぐにレオナから唇重ねてきてさ…
あれはどういう…
なんか…
同情してくれたとかかな?
……何に?
てか俺も俺でなんで…
いや多分…
あの時のシチュエーションがそうさせたんだよね
だって誰がどう考えてもそういうシチュエーションでしょ?
夜景に観覧車のてっぺん。
密室なんて。
そうじゃない?
雰囲気に飲み込まれたってやつだよきっと。
俺も彼女も。
とりあえず俺らはなんにもなかったってことにしよう。
明日からまた、
普段通りの毎日が始まるんだから…。