第7章 situation
「早く別れなかったのは俺や姉貴のためだそうだよ。
つまり俺は…望まれない子。」
「・・・」
「だから、この世の中に俺の居場所はないんだ」
「そんなこと…」
「いや、ある意味では誇りに思う。
この世に招かれなかったのに、俺は無理やり押しかけてきて思う存分戦いに参加してるんだよ!ふふっ」
明るく話す俺に、
レオナは少しだけ笑ってくれた。
「私の両親は今でも一緒に暮らしてる。
でも最近よく思うの。幸せな関係の夫婦っているのかなって」
「んー、そうだと表明する夫婦はいるよね。
でもきっと嘘だよ。」
「ふふっ…だよね。
人は偽りの人生を生きるからね…
目に見えないものなんて、全く信用できない。」
気がつけば、小さな遊園地にいた。
さっきからしている話は、こんな楽しげな場所でする話ではないような気もするし、
こんなに朗らかに軽くするような話でもないはずだけど、俺らだけはこんな感じだ。
周りの人間たちは楽しそうに遊んでいる。
大半は当然カップルだろう。
親子連れも見かける。
一見すると幸せそうだが、それぞれがそれぞれの闇を抱えているはずだ。
この世に、1寸の悩みもなく幸せだけを持ち続けられる人間なんていない。
必ず皆、人に言えない何かを抱えているものだ。