第7章 situation
「どのくらいしてるの?」
「毎年1000万はしてる。」
「すごい!俺もする!」
「うん。しなよ。
…で?龍ちゃんは?」
「また同じ質問を返すの?もう……
まぁ普段のことで言えば、仕事ができない男に我慢ならないくらいイラつくし、沸点低い奴とかも…
それからそういうスケールの話で言えば、メディアが人の心を支配してることとかかな」
「メディア?」
「うん。新しい形のファシズムかもってね。
あとは…技術の進歩が時間を節約するなんて話もムカついてるかな。自由になるどころか、より忙しくなってるだろ?スマホやらPCやらで時間は節約されてても、生産性のないことに時間が使われるようになってるし。
世の中って、人間知らず知らずのうちに誰かにいろんなことを操作されてるんだ」
「それは…私もよく感じるよ。世の中って嘘ばっかだよね」
俺らはその後もいくつかそんな話を繰り返して、
かれこれ2時間はそこにいた。