第7章 situation
「じゃあ、その親友とその先輩は見事結ばれたわけ?」
「ううん。可哀想なことに、その子はひたすら避けられてた。
多分私が先輩に暴露しちゃったからだと思う。馬鹿だよね、私って。
親友はその後諦めて別の人の付き合ってたけど、ある日言われたんだ。やっぱり誰と付き合っても、あの先輩のことが忘れられないって。」
一途ってすごいよね…
と言いながらレオナは寂しげに笑った。
「俺はその親友、その人と付き合わなくてよかった気がするなぁ」
「なんで?」
「多分、期待値が高すぎて失望してたと思うよ。
人は皆、ロマンチックな幻想で人生を包むからね。
現実からの逃避ってやつだよ」
「ロマンチック…ねぇ……
それで?龍ちゃんの初恋も教えてよ。次は私が質問する番でしょ」
「俺の初恋なんて多分幼稚園の頃とかだよ?
覚えてないわさすがにそんな昔のこと〜」
「なにそれ、私はこんなに詳しく話したんだよ?
覚えてる話を聞かせてよ」
「大恋愛でっち上げるかもよ?」
「それでもいいよ」
「嘘、ごめん。ストーリー思い浮かばねぇわ。
てか恋愛自体がよくわかんないんだよね。性的欲望のことを言うのかな…とくに男なんて、本能的にまずはそんな視点から女を見てる気がするんだ」