第7章 situation
「でもね、その先輩のこと、私の当時の親友も好きだったんだよ。だから、私は恋愛より友情を選んだ。」
「へえ…」
「でもある日、メアドとか聞かれてさ…
すごく嬉しかったけど感情を押し殺して断ったんだよね。
それで…言ったの。
ユリと交換してあげてくれって。」
「……それで?」
「まぁ…当然、なんで?って聞かれるよね。
だから言っちゃったよ。ユリがあなたのこと好きなんだって。
そしたら…僕は君のことが好きなんだけど…ってね…」
「ひえぇー!!すげえー!超青春!
まぁでも分かるよ。だってレオナぜってーモテたはずだもんね。大抵の男子みんな恋してたんじゃない?告られた回数とかヤバいっしょ」
「そんなことないよ?だって当時の私って、大人しくて地味だったもん。中学3年間は、誰とも付き合わなかったし。」
「え?その先輩と付き合わなかったの?」
「付き合うわけないでしょ。
私は友情をとってたんだから。」
レオナは懐かしそうに目を細めて窓の外を見ている。
長いまつ毛が夕陽に照らされて影を作っていて、
伊達メガネがやけに似合っていて、妖艶なインテリ教師にも見える。