第7章 situation
ー龍也sideー
今日のレオナはよく笑う。
彼女の知らない一面もたくさん知れたし、
無理にでも休ませてほんっとよかったよなぁと思った。
だって最近マジでやつれてたし…
正直、わりとかなり心配していた。
こういった仕事をしていると、安易に誰にも悩みを打ち明けたり相談したりできないし、常に気を張ってなきゃならないから自覚がないうちに疲労が溜まっていたりする。
「質問ターイム!」
俺のやりたかったことの一つ。
「え、いきなり何?」
「いいじゃん順番にしていこうよ。
俺らあんまりってか全然お互いのこと知らないし」
レオナは少し考えてから頷いた。
「じゃあまずは俺からね?
んーっとそうだなぁ…初恋!これが知りたいかな」
「えー…いきなりそれ?」
「うん!初めて好きになった人がどんなだったか」
「私の初恋は…うーん…
覚えてる限りだと多分…中学生の頃だよ。
バスケ部の先輩だった」
「うっわーありがち〜!」
「うるさいな。バスケしてる姿がかっこよかったんだよ。子供の頃なんてそんなもんでしょ。
で、私はバレー部だったからチラチラ彼の方を見てばっかいたなぁ」
「怪我しなかったのー?」
レオナは笑いながらストローでグラスをかき混ぜた。
「いっぱいした。余所見ばかりしてたからね。」
俺らは同時に笑った。
レオナの笑顔は、いつもの営業スマイルとは全く別人のようだ。
あっちも美しいけれど、俺はこっちの笑顔のほうが断然好きだ。