第1章 desire
ちなみに彼の部屋は40階。
私の2つ下の階だ。
彼はシャワーを浴びたあと、髪を乾かさずに来たのか、肩にタオルを引っ掛けたバスローブ姿で来た。
コンビニ袋をテーブルの上に置き、中身を並べだした。
「はい、これでしょ、いつものフルーツゼリー。
と、バナナ。と、一応ヨーグルトとレッドブルとオロナミンCと炭酸水も買ってきたから。」
「あーありがと。さすが気が利くじゃん」
「まあね。だって俺だしぃ〜?」
龍ちゃんはしっかり私の唯一好きなゼリーとヨーグルトと飲み物を買ってきてくれた。
もう私の好みを全て把握済みみたいだ。
けれど私もそれは同じで…
彼の好みは熟知している。多分もう全部。
ほら、子供みたいにヤクルトをストローで飲み出した。
「てか、髪拭きなさいったら」
私はガシガシと彼の頭をタオルで拭いた。
「んんー…平気だよすぐ乾くしぃ」
「それは楽で羨ましいわ。けど体調崩したら元も子もないよ。毎日あんたを待ってる女がわんさかいるんだからさ」
「へい〜」