第7章 situation
そう言って、ゆっくりと私の手に自分の手を被せ、マスコットを包むように握らせた。
そして、プリクラなんかも撮って…
だいぶはしゃいでしまった。
けれど、とっても楽しくて
時間を忘れてとにかくたくさん笑った気がする。
こんなに楽しいのって、
いつぶりだろう。
「はー、プリクラなんて久しぶりすぎるよ」
「俺も。ははっ、レオナの変顔強烈すぎ!」
「あんたに言われたくないっ!
ていうか、不意打ちで抱きついてこないでよ!」
「仕返ししてきただろ〜!これでフェア!」
「なんのフェアよ…」
よく考えたらだいぶおかしなこともしている気もする。
私たちは完全にイッちゃってるみたい。
中高生の頃に本当に戻ったみたいな。
それか
まだ酔いが抜けてないのかも?
けれどこんな時間は本当は初めてで、
ものすごく楽しかった。
思えばこんなふうに誰かとはしゃいで遊んだことなんてなかった。
昔からそうだった。
幼い頃から私は、あまり無邪気さのない子供だったし、友達も少なかったから。