第6章 blunder
「君って… レオナのことが好きなの?」
「っえ!!」
あ、もう決まりだね。
俺はその一瞬の表情と声で全てを察してしまった。
きっと大大大好きで、
めっっちゃ恋してんだろうなぁ。
「そんなっことあるわけっ」
「ははは別に彼女には言わないから大丈夫だよ〜」
「は、はぁ…ででも、恋愛禁止なので…」
ヤマトくんは顔を赤らめながらも気まずそうに視線を逸らした。
「あぁ…そうだろうね。」
嬢とボーイの恋愛が禁止されている店はほとんどだ。
この業界では基本中の当たり前みたいな掟。
…こんなに恋してるのに可哀想。
「ねぇ、だったらやっぱり君がホストになれば?
うちは大歓迎するよ。」
「っ!ええっ?無理です無理です!
僕にはできないと思うんで!」
「でもそれだといつまでもレオナが手に入らないじゃん」
ヤマトくんは目を見開いて数秒固まったが、
すぐに真剣な顔に戻った。