第6章 blunder
ー龍也sideー
「俺が運ぶよ」
「っ?!へ?!え?!」
若いボーイはこちらを振り返り、
驚愕の表情を浮かべた。
「えっ!あのっ…えぇっ?!
もしや…龍也さん?…では??」
やはりこいつも俺のことを知っているらしい。
「ん。そう。… レオナは酔い潰れてんの?」
「あ…はい…店で寝てしまって…で、起きられたんで、さっきまでは一緒に朝食を食べてたんですが…」
「あーあ。何度連絡しても返信ないからなんかあったのかと思ってたんだよねぇ。さては電源切りっぱなしだったな?」
俺はおもむろにボーイが持っているレオナのバッグを取った。
「ご苦労さまだね、君も。」
「あ…いえ…。あ、先日はお店に来て下さりありがとうございます。」
あぁ…このボーイも俺たちのこと見てたんだ。
「というか…なぜ龍也さんがここに?」
とても不思議そうな顔でそう言われ、
まぁ、そりゃそうだよなと思って笑顔で答えた。